日曜の朝にはYAMAHAに乗ろう

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2014年 11月 12日

ピストン&リング交換

 いよいよピストンとリングの交換です。
最近AT1の話が多くTX650は乗っていないのか?と思われるでしょうが、しっかり乗っていますよ。でも、いじるのはAT1ばかりで、ブログもAT1が多いです。ご了承ください、YAMAHAに乗ろうですから。(笑)

 9月末から乗り始めたAT1ですが、だいぶエンジンもこなれてきて調子良く走り続けています。納車前にクランクのサイドシールとベアリングを交換してもらった甲斐が有るというのもです。しかし、ある程度乗り慣れてくると気になるところも出てくるものです。私が一番気になったのはピストン(リング)の打音でした、ゆっくり走っている時にはほとんどしないのですが、回転を上げて走っている時にエンブレをかけると『ジャッ!』とシリンダーから聞こえてくるのです。ピストンリングのへたった2サイクルに有りがちなことだと思うのです。気にすると気になるもので、もう我慢が出来なくなりました。
 本来はしっかりとクリアランスを測り、0.25のオーバーサイズのピストンを入れるのが王道のリペアなのでしょうが、今回はせこくリング交換で行ってみよう、それでも音が消えなかったらボーリングも考えようとの論法です。

 今回は写真多めのマニュアル風にいきます。
 
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 今回の作業の行程表です。もちろんマニュアルを見ながらの作業が確実なのですが、私は自分の字で『大きく』書いたメモがないと駄目なんです。目が見えないのと(老眼酷い)、マニュアルのページをめくる作業が面倒になるからです。
 一番下に書いてあるクランクサイドのクリアランス、これ大事、あとで出てきます。

 
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 今回手に入れた スタンダードサイズのピストン、リング、ピストンピン、ピストンピンクリップ、小端ベアリングです。はじめに書いたようにピストンリングの交換でお茶を濁すつもりでしたが、純正のリングセットが7000円近くしたので驚き、いつもの海外通販のお店で全部がセットになっている社外品を買いました。セットで4500円です。品質は知りませんが、全て日本製!と大きく書いてありました。ピストンの裏を確認すると ART製 でした。
 しかし!これはシリンダーを開けてみて、シリンダーの状態を見ないと使えるかどうか判らないし、もう既にオーバーサイズが入っていたら全くの徒労に終わるのです。

 順番通りにばらして行きます。タンクを外し、チャンバーを外し、キャブを外し、シリンダーヘッドの締め付けトルクを確認の後(これ大事)、ヘッドナットを緩めます。

 
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 シリンダーヘッドはただの蓋ですからすぐに外れました。一ヶ所カーボンの積もった場所がありましたが、きれいに焼けています。シリンダーヘッドに白っぽく丸が見えますが、こちらは予備のプラグをあらかじめ挿しておく穴です。黒く影で見えづらいところに本来のプラグが刺さっています。つまりシリンダーヘッドに二ヶ所のプラグホールが有るのですよ。普段はBプラグと同サイズのブラインドプラグを刺しておきます。昔エンデューロとかでプラグが被ったらすぐにキャップを差し替えたようです、面白い考えですね。
 このあときれいにカーボンを取り掃除をしておきました。

 
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 ピストンとご対面。薄っすらとカーボンが乗っていますが、悪くは無い感じです。カーボンに隠れた打刻を探します、よくよく見るとスタンダードサイズであるらしい事がわかりました、0.25とか0.50とか打刻が無くて一安心。あとはピストンサイドがどうなっているのか。
 ゴムのハンマーでシリンダーを横から叩きケースとの張り付きを取るとすんなりシリンダーを上げる事ができました。

 
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 外したシリンダーをシリンダーを陽に透かして見ます。全周に渡り縦筋が見えますが、これは爪でさすっても引っかかりが無い程度の線条痕でした。本来のO/Hでしたらもう一度ホーニングするか、オーバーサイズにするかというところなのかもしれません。しかし、今回は深い傷が見当たらなかったのを幸いにこのまま新品ピストンを組みます。ご意見無用。

 
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 ピンのサイドのクリップを抜き、ピストンピンを抜きにかかりますが、ここまでしか出てきません。この状態でコンロッド小端ベアリングから抜ける位置までずらせたのでピストンを外しました。
 ちょっとひやひやしましたが、再使用する部品では無いのでOKです。

 
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 ピストンを外したらコンドッロ大端のクランクとのサイドクリアランスを確認します。一番初めの手順書の一番下に書いてあった事です。マニュアルによるとここのサイドクリアランスは0.4~0.6mmとなっています。0.35mmは入るけど、0.4mmはぎりぎり入らない感じでした。反対側も同じです。手で持ってカタカタするとガタは大きく感じるものですが、問題ない数値のようです。あぁ良かった。

 
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 きつくて抜けづらかったピストンピンを見てみますと、メッキ部分にかじりを発見、錆が浮いている風にも見えます。ピストンスカート部には少しバリっぽい感じが残っています、これは再使用しないから問題無しです。ピンも再使用しないのでこのまま刺しこんで本棚のオブジェ化決定。
 このエンジンを開ける前まで、非常に回り方が軽くなっていい感じだったのですが、こんな状態だったんだなぁ。

 
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 ピストンサイドです。外した後に汚い手で触ったのでざらついて見えますが、深い傷は見当たらず、全周に亘りシリンダーと同じような爪のかからない程度の線条痕です。吹き抜けの痕もほとんど無く安心しました。
 それに比較してピストンリングのテカリ・・・減ったり、張力が無くなったりしているのかもしれません、これが打音の原因だと良いなぁ。

 外した部品を全てじっくり確認しましたが、シリンダーの傷もほとんど無く、ピストンサイドも同様でした。唯一ピストンピンが痛んでいたくらいでした。

 
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 ピストンリングを組む前にシリンダーに刺しこんでリングの合い口の隙間を確認。何箇所か測りましたが。0.35mmでした。トップリングもセカンドリングも全く同じ数値でした。0.35と言うのが標準に収まっているのかどうか確認していません。

 
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 気休め程度ですが、リングの入り口、スカートのところ、ピンの入り口など気になるところにはオイルストーンで軽く軽くバリ取りをしておきました。オイルをたっぷり付けて研ぎます、ほんの少し、気持ち程度。
 この後削りカスが有ると嫌なので洗浄します。

 
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 あらかじめ左側のピンクリップを刺しこんでおいてからピンを刺し、ピストンを固定、右側のピンクリップを刺しこみます。
小端ベアリングにもたっぷり2サイクルオイルを馴染ませておきます。リング溝にもたっぷりオイルを注してから拡張リングを入れてからピストンリングを組みました。

 
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 割り箸をピストンの下に二本通してクランクを固定してからシリンダーを差し込みました。すんなり入りました。やはり単気筒は楽ですね。単気筒もそうだけど、2サイクルは本当に楽でいいですね。ヘッドにカムチェーンが無いエンジンはタイミングを取り直さなくていいのが楽です。簡単な作業ほど奥深いノウハウが必要で有る事を知っているうえで書いております。

 
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 シリンダーを下げたら、キックペダルを手で押し下げてピストンとシリンダーの馴染む位置を探します。わずかですが、ピストンが動きやすいところがありますね、スタッドボルトとシリンダーの遊び分だけわずかに動かせませすから。
 ぺこぺこ、ぺこぺこってかわいい音がしますね。

 
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 シリンダーナットを外す時に確認したトルクは3.5kgほどでした。対角線上に2.0~2.5~3.0~3.5kgと徐々にトルクをかけて締めました。小ぶりの小さめのトルクの測れるトルクレンチがもう一本必要な感じがします。
 この状態でもう一度キックペダルを下ろして引っかかりが無いか確認、大丈夫です。以前より圧縮が高くなった手応えがするのは気のせいだろうか?いや、ちょっと期待しちゃうかも!

 キャブレターを付け(キャブからエアクリーナーに行くチューブが硬化している!)プラグキャップをつけ、オイルラインを繋ぎ、チャンバーを付けようとしたら・・・

 
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 なんだかチャンバーの中で乾いたカラカラする音がする!とても嫌な感じ。サイレンサーの中身が腐って大量の錆の粉が出てきそうな音。テールパイプのバッフルを外してチャンバーを振りながら中身を出してみると、そこにはなんと石炭のようになった、2サイクルオイル(?)のカスがポロポロこぼれてきた。音が無くなるまで出してみたらこんなに出てきた。
 触ってみると本当にコークスみたいで、軽いけど、真っ黒で、指で強く潰すとポロポロになるような奴。これって今までチャンバーの内壁にへばりついていたカスが最近回して乗るようになったから剥がれてきたのかな?外したバッフルもきれいに焼けていたし、チャンバーの中も乾いていた。以前チャンバーの穴をネジ埋めした時はカラカラいわなかったし、もっと湿っていたからなぁ。なんだかちょっとうれしい感じ。

 さて、全て元通りに組み上げたら始動の儀式です!
メインスイッチを入れ、チョークしてキックするとなんと一発でエンジン始動!しかもその時点で静かになっているのが判る。チョークを戻し、アイドリングさせるとアイドリング回転もいつもより高め、ゆっくりゆっくりアクセルを開けて、問題なさそうなのを確認後、ヘルメットをかぶって出発。ご近所試乗コースを走ると、今までよりトルクを伴った吹け上がりをする、回転の上がりが若干遅いのはピストンの馴染みの無いせいだろう。大通りに出て徐々に加速、アクセルを戻す・・・『ジャッ!』って言わない!大成功。もううれしくて慣らしなのにちょっと引っ張ったり、エンブレを盛大にかけたりしても『ジャッ!』って言わない。よ~っく耳を澄ませばわずかながらジャッって聞こえるけど、今までを10としたら2以下!ぜんぜん気にならない。
 うれしくてぶん回したかったけど、慣らしをしなくちゃいけないので、やさしくやさしく走って帰宅しました。

 久しぶりの2サイクルのピストン交換(SDR以来か?)だったけど、心配したようなオーバーサイズを入れるような傷も見当たらず、スタンダードサイズのピストンとリングで音もすっかり消えて今回は大成功でした。2サイクルはピストン周りの耐久性で若干手間が掛かるけれども、こうしてすぐに蘇るからいいよなぁ。
 しかし!今回の作業は全部自己流、同じことをして上手くいかなかった!って文句は無しでお願いしますね。
 
 これで今月三連休の『しまなみ海道』ちびっこ大会もばっちり走れそうだぁ。その前に少し慣らしをしなくちゃなぁ。
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by gambaGX850 | 2014-11-12 05:31 | AT1(終了) | Comments(19)
Commented by 鈴木 at 2014-11-12 19:16 x
大学生の時に、RD400のピストンリングを交換してみようと思いスタンダードサイズを注文したのですが、開けてみたら0.25オーバーサイズが入っていて再注文したことがあったのを思い出しました。

ヘッドとフレームのクリアランスが広いと作業し易いですね。TXも機上整備出来るくらいクリアランスがあれば良かったのに!と思います。
Commented by achao at 2014-11-12 20:59 x
私のHT-1も「シャーッ!」って音が出るか否か?
近日検証してみます。
Commented by 福多縞 at 2014-11-12 21:08 x
デバイスが無い空冷単気筒の2stはエンジン開けるのも気が楽で自分も大好きです♪
整備の試みが達せられて良かったですねぇww
整備後にビンビン回したくなる気持ちすんごくよく分かります。
ホーニングは池に沈したYZのシリンダーを開けた時、
必殺手ホーニングで処置したっけw
アレは疲れましたねぇww
次の走行会まで1週間しか無かったので3日で他の箇所のも
含む全部品を揃えて仕事後の夜2日使って土曜日の出発に
間に合わせました。

こういう記事見ちゃうと空冷2st欲しくなっちゃいますね♪
Commented by gambaGX850 at 2014-11-12 21:28
>鈴木さん 私も今回開けないで部品を発注したものですからヒヤヒヤでした。
ピストンヘッドに三桁の数字を見たときにやったと思いました。
56mmに対して55.962の下三桁が打ってありましたのでスタンダードだと。

背の高いエンジンはヘッド回りの整備が厄介ですね。
そのうち予備のTXのエンジンをばらしたいと思っています。
Commented by gambaGX850 at 2014-11-12 21:30
>achaoさん クリアランスが大きくなってくるとジャッって音がしますね。
特にエンブレがかかる瞬間です。
本来はボーリングが必要な事はわかっているんです。
でも、対処療法です。
Commented by gambaGX850 at 2014-11-12 21:35
>福多縞さん シンプルな2サイクルは本当に楽です。
水もないし、排気デバイスもないし、ぽんと外してぽんと嵌めるだけ。(笑)

今回ホーニングしたかったなぁ、ちょっと紙やすりに手が伸びましたが、やめました。
縦筋はほとんど引っ掛かりが無かったので安心しました。
音からするともっと酷いんじゃないかと思っていましたから。

空冷一台どうですか?
ハスラーかGTとか、思い切ってT500行きましょう!(わはは)
Commented by ピッツS at 2014-11-12 23:40 x
古いバイクの異音は、まあ多少は仕方ないかなんて諦めがちですけど、やっぱりメカノイズは少ないに越したことないですよね。
とにかく、やりましたね。
これは、おめでとうございます。 ですよ!
Commented by gambaGX850 at 2014-11-13 06:00
>ピッツSさん 今回の異音はピンポイントであそこだろう、と言う音でした。
ですからやる事はひとつ、と決め打ちでしたよ。
でもエンジンを掛けて走るまでドキドキでしたねぇ。

結果的にはうまくいってよかったです。
Commented by 熊猫 at 2014-11-13 12:27 x
読んでてちょっとドキドキでしたが一発で上手く決まって良かったです。しまなみはもうすぐですね。近くまで行ってみようかしら...
Commented by gambaGX850 at 2014-11-13 15:54
>熊猫さん 私も開けて、ピストンヘッドを見るまでドキドキしました。
幸いシリンダーもきれいなものでこのまま行っても大丈夫って感じでした。

しまなみが楽しみですが、行き帰りはドカマンさんと珍道中になりそうです。
お天気が良かったらぜひ覗きに来て下さい。
Commented by aki1100s at 2014-11-13 21:37
シリンダーが無事でよかったですね。
俺はシリンダーを確認しないでオーダーしたのでSTDピストン一式が遊んでます。
割り箸!知らなかったなぁ~苦労しましたよ。
Commented by gambaGX850 at 2014-11-14 05:56
>akiさん 本当に程度が良かったのでホッとしました。
ハスラーのシリンダーを見ているじゃない、だから余計確認したかったんですよ。
STDピストンもったいなかったですね。

割り箸、いいでしょ?
この手の専用部品があるんですよ、箸で充分です。
Commented by 目玉親父 at 2014-11-14 15:50 x
ジャっていう音小さくなったんですね。
うちのはオーバーサイズ入れたのに高回転からのエンブレで音が出ます。
慣らしが足らなかったのかなあ?
4stのハスクでも出ていたから気にしなくてもと、自分に言い聞かせていたのですが、ガンバさんのブログを読んで気になってしまいました。
ところで、マニュアルって何処で手に入れたんでしょうか?
Commented by gambaGX850 at 2014-11-14 16:45
>目玉親父さん シリンダーからの音は劇的に無くなりました。
やはりピストンリングが減っていたのでしょうか。
スラップ音というのでしょうか?古い2サイクルには付き物ですよね。
4サイクルでもピストンスカートの短い物は出るようですよ。
ハスクは知りませんが、特に単気筒は出やすい傾向がある?のかな。

マニュアルは…国内外でAT1やDT1をいじっている人の情報を
自分で大切と思えるもの(数値)をピックアップしたものです。
本だったらクライマーのやつじゃないでしょうか。
ですから今回の作業も『自己流』です。
Commented by DT1親爺 at 2014-11-15 18:04 x
初コメ失礼します。AT1の記事を検索していたらたどり着きました。ヤマハが大好きな老人で特にトレールシリーズが好きで、DT1・AT1・FT50と完成し今はHT1に取り組んでいます。AT1は北米仕様でセル付きを見つけDT1と同じ色にして楽しんでいます。これからも宜しくお願いします。
Commented by gambaGX850 at 2014-11-15 19:45
>DT1親爺さん コメントをありがとうございます。
私もヤマハ大好き老人一歩手前です(笑)。
トレールシリーズの同じデザインのシリーズはかっこよくてかわいいですよね!
私も欲を言えばDT1が欲しいのですが、とりあえずは現状で満足です。

セルダイナモのAT1ですね!
左側のカバーのでっぱているモデルですね。

こちらこそよろしくお願いいたします、
いろんな事を教えてください。
Commented by taira at 2016-03-08 20:49 x
AT1所有しておりますがピストン・リングはどのように購入出来ますか?
Commented by gambaGX850 at 2016-03-08 21:19
>tairaさん コメントをありがとうございます。
わたしはこのセットをeBayで買いました。
このセットを出品しているお店が有ったのです。
現在同様に売っているかは知りませんが、調べる価値は有りますね。
オーバーサイズの方が良いような気もしますよ。
Commented by gambaGX850 at 2016-03-09 13:44
>tairaさま ご希望に沿うことはできません。
面識も無い方と金銭の伴うやり取りは不可能です。

それと携帯アドレスがそのまま出てしまっているので
頂いたコメントを削除いたします。


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